ロケット　私はまだ、残念ながらロケットの発射そのものを上空から見たことはありません。でも、ロケットが上がったあとの航跡を見たことがあります。蒼空に突き刺さる槍のような白い航跡は、人間のあくなき探究心と好奇心を思わせます。
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７：「求めなさい。そうすれば、与えられる。探しなさい。そうすれば、見つかる。門をたたきなさい。そうすれば、開かれる。
８：だれでも、求める者は受け、探す者は見つけ、門をたたく者には開かれる。
〜
11：〜まして、あなたがたの天の父は、求める者に良い物をくださるにちがいない。〜

　本書のはじめに、私は、ウェブがグローバルなレベルで知識の平等化を進めるだろうという希望を述べた。しかし体系化されない情報は現実として不平等を増大させるだろう。この点でインターネットは、イソップの寓話やすべてのメディアのように、きわめて曖昧なのである。
　そこでグーテンベルグの発明に戻って考えてみよう。印刷機は知識を強力に普及させたばかりではない。目次と索引をもたらし、それまでの本に大きな改善をもたらしたのである。
　我々はいま、これまでとは別の次元の変化に直面している。大量のデータの真ん中で、どう選択するのか、データの誠実度、権利そして基準を見極めなければならなくなっている。というのも、もう偶発的な選択には任せたくないからだ。アリアドーネの糸を持たずに、我々の好奇心のままあらゆる事柄にアクセスすれば、道に迷うだけだろう。すべてを取り尽くすという幻想は、選択の必要性の仲に消え去るのである。将来的に、もっと大量情報の時代になれば、選択は、どの主流となっている生産的な文化にも重要事となるだろう。
　読者は「伝統的な」図書館がどのように利用されるかを思い浮かべてほしい。まず、あなたは本棚の間を歩き回るだろう。図書館を成り立たせている原則は本棚に本を並べる規則であり、それは本を探すのに大きく影響している。直感的な本探しは刺激にはなるものの徒労にすぎない。読者の懐疑や推論は、いままで他者が考え抜いて整えた原則による分類との実りある対話のなかから生まれてくるのだ。もちろん、この原則は知識の果てしない流れの中では常に流動的であり、更新されることが発展にとって必要だ。またその妥当性も一時的なものである。しかしそれは注意深い思考の末に出てきた結果であり、明確で十分な根拠をもっている。
　したがって、それはバーチャルな図書館（それがどんなものであろうと）にも正しく移植されるべき原則なのである。曖昧な分類基準に従った早いだけが取り柄の検索リストは、多種多様な利用の出来る「照会の分類」と「結果の表示」に取り替えられなければならない。
Ｇｏｏｇｌｅとの闘い　文化の多様性を守るために pp.112-113